世界の底でさけぶろぐ

2019年4月から8月に配信された「ワンダーグラビティ~ピノと重力使い~」が忘れられないブログ。 ゲーム、アニメ、特撮作品の感想、備忘録。

ワングラの気になるところ

早期サ終となってしまったワンダーグラビティ(以下ワングラ)。

残された謎や伏線…なんて言うと、受け手がそう思っていても創り手は想定してなかった、なんてこともあるので、あくまで気になること、として書いておきます。

※作品全体のネタバレを含みます。

 

 

優先順位

ワングラは8月22日配信の「最終章 エンドロール」にて完結しました。

オルタ―病、幽霊列車の正体といった謎に区切りをつけ、ヒューゴたちは再びエンドロールを目指すという、ほろ苦くも希望のあるラストでした。

しかし、エンドロールの真実ははっきりとは語られず、アンブレラ、世界機関との対決もなく、ニールやヒューゴの体質や過去についても詳しく語られることもなく。

謎解きの取捨選択というか、優先順位がどのように決められたのか気になるところです。

 

コンプティーク2018年12月号(2018/11/10発売)にf4samurai代表の金哲碩氏と小林靖子氏の対談があるのですが、(ただのリンクです。アフィリエイトではないです。)

 

 

コンプティーク 2018年12月号

コンプティーク 2018年12月号

 

 

――それぞれのキャラクターに相棒がいる形となっていますが、そういったバディ感が強めの作品なのでしょうか?

小林:そうですね。メインとなるヒューゴとニールの関係性は特に強いものになっています。ただ、ヒューゴは何体ものピノと契約できる特別なキャラクターでもあります。

――複数契約ができるヒューゴの特別な部分は物語の鍵にも繋がるのでしょうか?

金:ヒューゴが物語の主人公になった理由はちゃんとありまして、第一部のストーリーを読み終えるとその辺りが分かってくるようになっています。ただ単にゲームのシステム的に主人公だから複数のピノと契約できる、といったものにはしたくなかったので。

――ちなみに第一部というのはストーリーのどの辺りになるのでしょうか?

金:今のところ一部が10章くらいの構成となっていまして、だいたい最初の1年で一部を終えるといった想定になっています。

コンプティーク2018年12月号P195

 

 ごめん、ヒューゴが主人公である理由も複数のピノと契約できる理由も解らなかったです。ラスボスを救うヒューゴはカッコよかったし、精神的支柱になりつつあるのは描かれていたけど。

サービス終了告知時は、「サ終は残念だけど、月一ペース更新だった(1年で第一部が完結するはずだった)ストーリーが半年で読めるのはむしろラッキー!」くらいに思っていたのですが、これを観ると当初準備していたラストを急きょ変更して配信されたのだと思われます。

 

終了が決まって本来の描写のための時間や人手が割けなくなったのでしょうか。

それとも、仕切り直しのために温存されたのではないかとあまーい希望を抱いてしまったり(実際にはセガはソシャゲ部門を縮小しそうな勢いですが)。

 

 

気になるところをつらつらと

ピノの記録

チュートリアルで3連ガチャを引かせてくれるコスモちゃん。そのときのセリフが、

「そうだ!お近づきのしるしにピノの記録をあげる!」

新キャラ登場時も

「新しい記録が追加されたから紹介するねー!」

記録、と言われるとなんだか「ピノは現存しない」「ピノは実体がない」ように聞こえてくる。

 

ニール

ニールの目的

ニールはエンドロールを目指す理由(=叶えたい願い)を、ヒューゴにすら話していない。プロフィールには「夢:周囲を見返す」とあるがそれが理由というには…。

ニールの嘘

「助けてくれたら宝をやる(宝は故郷にある)」

最強の重力使いと契約していた」

「故郷にいる病気の友達を助けたい」

 その場を切り抜けるために嘘をついてきたニール。これらも全部嘘っぽい。

ただし、格闘家ガロンのピノストーリーでエンドロールに行く理由を問われたときも、病気の友達を助けたい」と答えている。神と崇める彼に嘘をつくだろうか?それとも敬愛している相手にカッコつけたか、ガロン相手でも病気の友達がいるという「設定」が崩れないのか。

 ・「謎のピノ」との関係

ニールのピノストーリーと、5章冒頭で、彼女の幻覚をしょっちゅう見ていたという描写があった。ただ、9章で本人と対面した時は、そのことを思い出せていない。

 

ヒューゴ

・オーランドとパトリオットはヒューゴに何を見いだした?(3章~4章)

そういえばエールデもヒューゴをプラネテスにスカウトしようとしてた。

・ヒューゴはなぜトルネスコで幻を見なかったのか

遺跡の国トルネスコに入るものは、最初に一度、幻覚を見るという。チプールはレノン、ノンカは亡き姉、ティアは元ノーツを殺した相手、ニールは「謎のピノ」の幻覚をそれぞれ見ている。が、ヒューゴだけ何も見なかった。過去のトラウマ、もしくは近未来のことが見えるようだから、父や母の幻を見てもよさそうなものだが…。一瞬ヒューゴはオートマタかなにかかと心配してしまった。

・遺跡でヒューゴを狙うデブリ

遺跡の作業員だったチプールも知らないデブリ。レイヤード達には攻撃してこなかった。ヒューゴをしつこく狙うが、レノンに瞬殺される。ドグマがデブリ化した?ドグマ、ヒューゴたちに敗れて気絶し、チプール持参のロープで縛られている。そのあとはっきり「逮捕された」という描写がなく、レイヤードが「気配が消えた」と察知したのみ。指名手配されているはずだがあとから来たレイヤード達が遭遇していないっぽい?

・ヒューゴの体質

ヒューゴ母のプロフィールで彼女の親族に「重力が重い」体質の者が多いと判明した。父のレノンのように複数のピノと契約できるのも、特殊らしい。

・監獄島ジェイルローの高重力環境で動けるヒューゴ(9章)

ヒューストンも不思議そうだった。

ヒューゴの「覚醒」

8章のバスケス戦で「覚醒」したヒューゴ。「外部(敵)の重力を自分の力に換える」という、高レベルの重力使いも知らない能力に目覚めた。その話を聞いていたクランケは、ラスボスを倒す仮説をヒューゴに授ける。ボウゼが残った理性で自らに重力負荷をかけ、力を抑え込もうとするほど、デブリに取り込まれた肉体が強力な力を手に入れるのではないかと。ヒューゴはラストバトルで再びこの能力を発揮するが、デブリと同じ理屈で強くなっていると言われたようなもの。最後の最後に謎が深まったような気がする。

ヒューゴのりんご

ヒューゴは複数のピノと契約できる。劇中でニール・ティア・チプールと契約しているが、いまヒューゴが持っているりんごはニールのものひとつだけだ。

契約するとピノのリンゴの所有権が重力使いに移るので、ヒューゴは本来3つりんごを持っているはず。

このゲームの立ち絵は契約の有無(=りんごの有無)をきちんと描き分けているので作画ミスではなさそうだが…。

(レノンがチプールと契約していたときもりんごは増えていなかった)

 

レノン

レノンの旅路の空白

世界機関がエンドロールに賞金を懸けたのが5年前。

遺跡の事件を解決したのが3年前。このときチプールと出会って契約している。

このあと中層を過ぎたあたりでボウゼがオルタ―病を発病。ボウゼとチプールを帰して旅を続けている。ここで彼も断念しなかったのも少し不思議。

エンドロールに到着後、手紙を書いているが、このあたりまではヒューゴが冒険に出ることや重力使いになることを想定・肯定している(ボウゼにヒューゴのことを頼んでいるし、チプールも息子の助けになると思って帰している)。

しかし、5章で再登場した時には「フォグミストに帰れ」「私が送ったログを渡せ」と変貌している。最終章で明かされた「真実」以外にも何かあったのかもしれない。

レノンのノーツ(ピノ

ヒューゴの回想でエンドロール出発前に「昔のノーツに手紙を書いていたんだ」「もうすぐ旅に出る、とな」と言っていたが、結局登場しなかった(「ノーツ」は相棒という意味でも使われるので、ボウゼだった可能性もあるが、人間がノーツと呼ぶ場合は相手はピノを指していると思われる)。

レノンのアバターがアシスト属性なので、アシスト属性だと思われる。

ピノとの契約のしるしであるリンゴは、青リンゴとカブトムシのマーク。なんとなく、少年のような心を持ったピノなのかな、と思う。

 

ボウゼのノーツ(ピノ

ピノのリンゴを持っているが、登場しなかった。バースト属性だと思われる。

 

ヒューストン

・ログ集めに固執する理由は?

世界機関とやりあうために空路や情報が欲しい、だけなのだろうか。

ナサ

・キャッチフレーズ?の変更

公式サイト→母性あふれる乱雲

ゲーム→圧倒的オカン

・プロフィールの「夢:教え子の無念を晴らす」ってなんだったんだー!

「キライなモノ:親不孝」と関連ありそうだけど…。

ヒューストンを慕う理由

10章で彼との出会いが描かれ、コバルトと自分の正義の板挟みになったことや、ヒューストンの不器用さを支えてやりたいと思う様子が描かれてはいるが…。

「私が強い理由はもっと簡単なこと…だぞ。私には、夢がある。」

 公式サイトにも登場したセリフ。あまり彼女の内面は描かれなかった。ピノストーリーが実装されなかったのがとても残念。

 

 

まだ続くかもしれません。